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「退職代行」をどう考える?―人事が目を背けてはいけないサイン

昨日まで、いつものように「お疲れさまです」と挨拶をして帰っていった部下が、翌日になっても出社してこない。

不思議に思っていると、上司宛に一本の電話が入る。


「〇〇さんよりご依頼を受け、退職手続きを代行しております。昨日を実働最終日とし、残りは年次有給休暇を消化のうえ退職予定です。正式な退職日をご教示ください。あわせて必要書類の送付をお願いします——」


いわゆる「退職代行」です。


このビジネスには、CMでおなじみの法律事務所から専門業者まで多くが参入しています。法的なグレーゾーンが問題視されるケースもあり、今後は整理・淘汰が進んでいくでしょう。一方で、長時間労働やハラスメントといった労務問題が後を絶たないことや、転職がしやすい環境になっていることを考えれば、退職代行というサービス自体が一定程度存続するのも、自然な流れだといえます。


退職代行を使う社員は、決して軽い気持ちではありません。

毎日が苦痛で、直接話すことすらできない。逃げだと言われようとも、会社と完全に縁を切らなければ自分を守れない——そこまで追い込まれた末の「最後の手段」です。心情として、理解できる部分もあるでしょう。


では、人事(会社)はこの現象をどう捉えるべきでしょうか。

「退職方法の一つ」と割り切ってしまえば楽です。しかし、人事の本質的な役割は、単なる手続き管理ではありません。人事とは、本来「人の心を見つめ続ける」仕事です。


退職代行で去った人は、なぜそこまで追い込まれたのか。

職場なのか、上司なのか、制度なのか。会社にとっては些細に見えることでも、本人にとっては生活を左右する重大事だったのかもしれません。


一つひとつの事象から目を背けず、原因を考え、手を打つ。

その積み重ねこそが、職場を少しずつ良くし、結果として経営を支える人事につながります。

退職代行は、人事にとっての「不都合な真実」であり、同時に大切なサインなのです。



 
 
 

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