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内定式から始まる内定者フォロー


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毎年10月1日になると、テレビやネットで大手企業の内定式が話題になります。近年は、ホテルでの豪華な食事会よりも、企業の個性を活かしたカジュアルな式典やオンライン開催が主流になりました。では、内定式は何のために行うのでしょうか。目的を整理すると、①就活を終える区切りをつける、②正式な内定通知を交付して入社への覚悟を促す、③内定者同士や社員とのつながりをつくる、④経営層が入社予定者を知り、社内の期待を高める――の4点にまとめられます。


このうち、最近は③の「関係づくり」を重視する企業が増えています。学生が複数の内定を持つのは当たり前。内定辞退や入社後の早期離職を防ぐには、内定後の“つながりの維持”が欠かせません。一方で④のように、経営層との接点を設けない企業も多いようですが、トップからのメッセージや歓迎の言葉は、入社への安心感と誇りを育む貴重な機会でもあります。


とはいえ、内定式や懇親会を単なる“楽しいイベント”で終わらせてしまうのはもったいない話です。

退職代行サービスが当たり前に使われる時代、入社前のフォローから入社後の育成まで、企業として一貫したストーリーの設計が求められています。単発のイベントではなく、「どんな目的で、どんなメッセージを伝えたいのか」を明確にしたうえで企画することが重要です。


また、Z世代と呼ばれる若者たちは、企業の“リアル”を敏感に感じ取ります。

形式的な言葉や一方通行の説明よりも、社員の人柄や仕事のリアルを通じて「この会社で働く自分の姿」がイメージできるかどうかが鍵になります。とはいえ、内定者に迎合しすぎるのも逆効果です。あくまで企業としての姿勢や価値観を大切にしながら、対話を重ねていくことが肝心です。


内定式やフォローの目的は、「安心」と「期待」を同時に生み出すこと。

会社説明会や選考では見えなかった“良い意味でのカルチャーショック”を感じてもらえるような内容にできれば理想的です。就活生の価値観を最も理解している採用担当者こそが、その設計の中心を担うべきでしょう。


来春の入社式までの流れをどう描くか。

そして、次年度の採用に向けてどんなストーリーを紡いでいくのか。

今こそ、企業として「大切な人の迎え方」を見直すタイミングです。

 
 
 

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