就活の面接、録音は本当に必要?
- 上田昌平
- 20 時間前
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就職活動における「面接の録音・公開」をめぐる議論が注目を集めています。とりわけ、就活生向けに面接音声を共有できるサービス「Voice Career」の登場は、企業の人事担当者の間に大きな波紋を広げています。
面接を録音し、それを公開することについては賛否が分かれます。「非常識であり信頼関係を壊す行為」と批判する声がある一方で、「企業の面接は本来どこに出しても恥ずかしくない内容であるべき」「学生にとっては合理的な自衛手段」という肯定的な意見もあります。口コミ社会が当たり前の時代に、面接の録音が公開されることを問題視するのは時代錯誤だ、という見方もあります。
しかし私は、面接を録音し公開することには絶対反対です。
その理由は、面接とは単なる「能力と適性を測る場」にとどまらないからです。実際には、企業と学生がお互いに理解を深めるための場でもあり、そこで交わされる会話は相当デリケートです。
例えば、学生側がこれまでの経験や価値観を語るとき、そこには個人的な背景やプライバシーが含まれます。また企業側も、応募者との信頼関係を築くために、通常は社外に出さない情報や本音を語ることがあります。特に個人面接では、相手との距離を縮めるための雑談ややり取りが多く含まれ、それらが無防備に公開されることになれば、双方とも安心して本音を語れなくなってしまいます。
結果として、面接が「安全な対話の場」ではなくなり、企業と学生の相互理解は大きく損なわれるでしょう。形式的な質疑応答に終始する面接は、お互いにとって不幸なものです。
他人の面接内容を事前に知っておきたい気持ちは理解できます。しかし、そうしないと合格できない会社に無理をして入るよりも、自分らしく自然体で話し、それを評価してくれる会社に出会う方が、本人にとっても企業にとっても望ましいのではないでしょうか。
面接は「公開に耐えうるかどうか」を競う場ではありません。安心して本音を交わせる対話の場であることを守る――これこそが、健全な採用活動にとって何より大切だと考えます。

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