評価制度は「買うもの」ではなく「育てるもの」──外注でうまくいかないのには理由がある
- 上田昌平
- 8月10日
- 読了時間: 2分

評価制度についてご紹介してきた前回・前々回では、評価制度の基本構造と、その目的・運用のあり方についてお話ししました。今回は少し視点を変え、「制度をどう設計するか、誰が作るべきか」ということを考えてみたいと思います。
最近は、クラウド型の人事評価システムや、コンサル会社が提供する評価制度テンプレートなど、便利なサービスが増えています。これらを導入すれば、一見、制度運用が楽になりそうに見えます。ですが、実際には「導入したもののうまく機能していない」「現場がついてこない」といった声もよく聞かれます。
なぜそうなるのでしょうか?──それは、評価制度が「自社で考え、議論し、腹落ちした上で運用すべきもの」だからです。
評価制度は、従業員の行動や成果を評価し、それに基づいて育成したり処遇を決めたりする重要なしくみです。そこには、会社としての価値観や判断軸が必ず含まれます。つまり、評価制度とは単なる“制度”ではなく、「会社として何を大切にしているか」を表現するメッセージでもあるのです。
そのため、社外から制度をそのまま持ってきても、自社の仕事の内容や組織文化とズレが生じやすく、社員が納得しにくいのです。たとえ専門家がつくった制度でも、現場に浸透しなければ意味がありません。
だからこそ、自社の評価制度は、自社の実情にあわせて「自分たちで考え、つくり、運用しながら改善していく」ことが何より大切です。最初は不完全でも構いません。むしろ、制度を育てていくプロセスこそが、会社にとっての貴重な学びとなり、社員の理解と信頼を生むのです。
外部の専門家に相談することはもちろん有効ですが、「丸投げ」ではなく、「自分たちで考える前提」で専門家の力を借りるのが成功のカギです。人を評価する制度は、その人や仕事を知っている会社の人が中心になってつくるべきもの──これが、長年実務者として評価制度に関わり、今も大小
様々な企業を支援する中でたどり着いた私の確信でもあります。
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