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新入社員の定着と活躍を実現する研修設計のポイントとは
新入社員研修で会社は何を伝えるべきでしょうか。各社ごとに目的や内容は異なりますが、その本質は共通していると考えます。すなわち、新入社員を「できるだけ早く、そして長く活躍する人材へと育てるための初動」です。ここではその中身を、①意識②知識③スキルの三本柱で整理します。 まず最も重要なのは「意識」です。学生気分からの脱却、社会人としての責任感、そして自社で働くうえで求められる価値観や行動規範など、いわゆるマインドセットの転換が含まれます。業種や職種によって求められる意識は異なりますが、自社ならではの「〇〇マン(orウーマン)の××精神」のような核となる考え方は、必ず言語化して伝える必要があります。新入社員にとって最初に触れる価値観は、その後の行動に大きな影響を与えます。 次に「知識」です。就業規則や労働条件、人事制度、コンプライアンスに関することなど、会社として説明義務のある事項、さらに社会人としての基本的なマナーや、出退勤・各種申請といった社内ルールが該当します。ただし、これらは形式的な側面が強く、研修時間の多くを割くべき領域ではありません。重要な

上田昌平
1 日前読了時間: 2分


みなし残業(固定残業時間制)について
みなし残業(固定残業代制)とは、実際の残業時間にかかわらず、あらかじめ定めた一定時間分の残業代を支払うしくみです。みなし時間より残業が少なくても減額はできませんし、超えた分は必ず追加で支払う必要があります。 近年は、固定残業代を含めた初任給を提示し、見かけ上の金額を高く見せる求人も増えています。しかし、学生さんが制度を十分理解しているとは思えません。さらに、企業側の運用が曖昧であれば、いずれは残業代の未払いなどの労務リスクに直結します。問題は制度そのものではなく、「適切に運用できているか」です。 みなし残業を導入する場合、企業人事の実務上、特に重要なのは以下の四点です。 第一に、基本給と固定残業代の内訳、対象時間数、計算方法を明確に示すこと。総額表示だけでは不十分です。採用段階から透明性を確保することが信頼の出発点になります。 第二に、固定時間数の根拠が説明可能であること。過去の残業実績や職種特性に基づかない設定は説得力を欠きます。「業界相場」は理由になりません。 第三に、従業員が超過分を申請しやすいしくみを整えること。制度上は支給すると定めてい

上田昌平
3月3日読了時間: 2分


ハラスメント対応 ・・・ 企業人事が果たすべき役割は?
近年、セクハラやパワハラは広く認識され、法整備も進み、多くの企業で予防体制が整えられてきました。一方で、ハラスメントの種類や捉え方は多様化し、「誰もが加害者になり得る」リスクが高まっているようにも感じます。 ちょっとした反対意見や、やや批判的な発言に対しても、「それはハラスメントだ」と受け取られてしまう場面が増えました。最近では、こうした過度に“ハラスメントだと訴える行為そのもの”を指して、「ハラスメント・ハラスメント(通称:ハラハラ)」という言葉も聞かれます。 また、年長者が若手に対して、自身の価値観や経験を伝えようとした際に、「それは昭和ですね~」と一言で切り捨てられてしまうケースも珍しくありません。この「昭和」という言葉が、コンプライアンス意識の低さやハラスメントが横行していた時代を象徴する、やや否定的な意味合いで使われている点には、少し立ち止まって考える必要があるように思います。 ドラマ『不適切にもほどがある!』が世代を超えて共感を集めた背景にも、こうした価値観の揺らぎがあるのではないでしょうか。令和の基準が常に正解とは限らず、昭和の価値

上田昌平
2月14日読了時間: 3分


初任給高騰…中小企業はどう向き合うべきか―「上げる・上げない」の二択を超えて考える―
近年、大手企業を中心に初任給の引き上げが相次いでいます。ユニクロの37万円、伊藤忠の36万円といった数字を目にし、「中小企業にはもう太刀打ちできない・・・」と感じている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。 しかし、この流れにそのまま追随することが、中小企業にとって最適解かというと、必ずしもそうではありません。 大手企業の高い初任給は、新卒社員の生産性への対価ではなく、採用市場における“広告費”としての意味合いが強いものです。体力がある(と思っている)企業が、将来の成長を前提に先行投資をしていると解釈すべきでしょう。 一方、製造業や小売業、物流、介護、外食など、現場業務が中心で人手に依存する業種では、人件費が利益に占める割合が高く、価格転嫁も容易ではありません。そのような中小企業が無理に初任給を引き上げれば、賃金と生産性のバランスが崩れ、経営を圧迫するリスクが高まります。 では、この初任給高騰の流れに、どう向き合えばよいのでしょうか。ポイントは三つあります。 第一に、初任給で勝負しないと割り切ることです。 大手より初任給が低いことは事

上田昌平
1月5日読了時間: 2分


「退職代行」をどう考える?―人事が目を背けてはいけないサイン
昨日まで、いつものように「お疲れさまです」と挨拶をして帰っていった部下が、翌日になっても出社してこない。 不思議に思っていると、上司宛に一本の電話が入る。 「〇〇さんよりご依頼を受け、退職手続きを代行しております。昨日を実働最終日とし、残りは年次有給休暇を消化のうえ退職予定です。正式な退職日をご教示ください。あわせて必要書類の送付をお願いします——」 いわゆる「退職代行」です。 このビジネスには、CMでおなじみの法律事務所から専門業者まで多くが参入しています。法的なグレーゾーンが問題視されるケースもあり、今後は整理・淘汰が進んでいくでしょう。一方で、長時間労働やハラスメントといった労務問題が後を絶たないことや、転職がしやすい環境になっていることを考えれば、退職代行というサービス自体が一定程度存続するのも、自然な流れだといえます。 退職代行を使う社員は、決して軽い気持ちではありません。 毎日が苦痛で、直接話すことすらできない。逃げだと言われようとも、会社と完全に縁を切らなければ自分を守れない——そこまで追い込まれた末の「最後の手段」です。心情として

上田昌平
2025年12月24日読了時間: 2分


AI時代のES選考──企業人事が見るべきことは?
新卒採用の初期選考でエントリーシート(ES)を使う企業は多く、典型的な設問は①自己 PR、②学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)、③志望理由(志望動機)の三つです。ここでは、この3項目において企業人事がES選考で何を見極めるべきかを考えます。 近年、ES選考の様相は大きく変わっています。AIを使いこなす就活生が増え、提出される文章はどれも“よくできた”ものばかり。特に自己PRやガクチカでは、その傾向が顕著です。内容は部活動、アルバイト、ボランティア、学業(ゼミ、資格取得)などが中心で、「困難→努力→学び」というワンパターンの構成が定番化しています。内容で差がつきにくく、AIの支援により文章力の差も見えにくい。この点では、もはやESは、面接で人物を掘り下げるための“参考資料”にとどまることも多いといえます。 では、企業人事はESの何を重視すべきか。 上述の典型的な3つの設問の中で、最も差が出やすいのは③志望理由(志望動機)です。志望理由(志望動機)には、学生が企業の本質や価値観にどこまで自分の言葉で向き合っているかが表れます。 人事が見るべきポイン

上田昌平
2025年12月8日読了時間: 2分


内定式から始まる内定者フォロー
毎年10月1日になると、テレビやネットで大手企業の内定式が話題になります。近年は、ホテルでの豪華な食事会よりも、企業の個性を活かしたカジュアルな式典やオンライン開催が主流になりました。では、内定式は何のために行うのでしょうか。目的を整理すると、①就活を終える区切りをつける、...

上田昌平
2025年10月7日読了時間: 2分


就活の面接、録音は本当に必要?
就職活動における「面接の録音・公開」をめぐる議論が注目を集めています。とりわけ、就活生向けに面接音声を共有できるサービス「Voice Career」の登場は、企業の人事担当者の間に大きな波紋を広げています。 面接を録音し、それを公開することについては賛否が分かれます。「非常...

上田昌平
2025年8月30日読了時間: 2分


評価制度は「買うもの」ではなく「育てるもの」──外注でうまくいかないのには理由がある
評価制度についてご紹介してきた前回・前々回では、評価制度の基本構造と、その目的・運用のあり方についてお話ししました。今回は少し視点を変え、「制度をどう設計するか、誰が作るべきか」ということを考えてみたいと思います。 最近は、クラウド型の人事評価システムや、コンサル会社が提供...

上田昌平
2025年8月10日読了時間: 2分


評価制度のねらいと運用のヒント
評価制度は、「行動評価」と「業績評価」の2本柱で構成されるのが一般的です。では、なぜ会社は従業員を評価するのでしょうか。その目的を整理してみましょう。 評価制度のねらいは、大きく3つあります。 ● 従業員に「この仕事では何が求められているか」を伝え、職務への方向づけを行う...

上田昌平
2025年7月31日読了時間: 2分


評価制度のキホン・・・行動評価と業績評価
「評価は難しい」「評価に不満が出る」「目標面談が形だけになっている」──人事制度のなかでも、評価制度に課題を抱える企業は少なくありません。今回は、評価制度の基本に立ち返って整理してみましょう。 評価は大きく分けて「行動評価」と「業績評価」の2つがあります。...

上田昌平
2025年7月9日読了時間: 2分


止まらない若手の離職・・・いったいどうすれば???
終身雇用が当たり前だった頃、新卒で入社した会社を退職するのはそれなりに勇気のいることでした。先輩からは「三年やって一人前」と教えられ、三年以内に仕事を投げ出すとダメなやつだと思われる・・・会社への帰属意識が希薄な今の若者(特にZ世代)には理解できない感覚でしょう。しかしなが...

上田昌平
2025年5月15日読了時間: 3分
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